シナママ日記

君が我が家に来た日は

ママはお気に入りのワンピースを着ていました。

暑い日差しの中、君の入った箱を抱えて

パパと二人で帰路を急いだのを覚えています。

帰りの車中で我慢できずに

箱から君を出して抱っこして

その時の君の写真が

いつも君を紹介する写真となりました。


我が家に来てからの君が

あまりにも興奮しすぎて

水すらも受け付けなくて

動物病院に行ったり、買ってきたペットショップへ行ったり。

心配をよそに、気が付いたら餌を食べた君を見て

パパとママは歓喜の声をあげました。


君が来る前までの我が家のフェレたちは

パパの意向で女の子ばかりでした。

初めて男の子を迎え入れた理由は

君があまりにもキラキラとした目でパパとママを見てくれたから。

女の子よりも愛らしい仕草で、男の子はこんなにも可愛いのか、と感心しました。

「男の子は可愛い」じゃなくて「君が可愛い」のは

次の男の子の豆乃助の破天荒さが証明してくれましたがね。


犬用のおもちゃを上手に噛んで

フェレットでも「ぴーぴー」音が出せること

初めてパパとママは知りました。

ママそれを動画で撮って長距離中のパパに知らせるくらい驚きました。

音の鳴る青い象さんのゴム人形を君はとっても気に入ってましたね。

ぼろぼろになった象さんからパンダに変えたとき、「なんか違う」って顔をする君の表情が可愛かったです。


買い物に行くたびに、君のいたペットショップに寄ったのは

ベビー見たさもあったけど、君の幼いころの写真が貼られてたから。

君がうちに来た日を昨日の事のように思い出せていました。


君の異変に気が付いたのは、去年の五月の事でした。

元気はあるのに、次第に体の毛が抜けてきた君。

そろそろ時期が来たのかと、パパとママは話しました。

術後の経過がよくなくてパンや豆乃助が逝ったときのことを考えると

手術を躊躇してた時の夜、さらなる君の異変に気が付きました。

夜の動物病院に駆け込み、処置をしなければあと二日の命だと

あまりにも唐突な申告。

同じ麻酔をするなら、合わせて腫瘍へのアプローチをする事。

君の苦しむ声を一晩聴いてパパとママの決心がつきました。


手術は成功したものの、やっぱりご飯を食べなくて

あの手、この手でご飯を工夫し

食べた時の喜び。

君が我が家にきてから拒食になり、食べ始めた時の喜びを思い出しました。

食事が食べれるようになり、家の中を走り回るようになって

その様子を動画に撮り、長距離中のパパに見せたとき

「そんなに動かして大丈夫なの？」と驚くくらいの元気さで

病気から立ち直っていく君を見て

ママは夢心地でした。


手術からしっかりと立ち直り

元気にしていた君を

また低血糖が襲って

そこからの君は、ママの食べる特別食とおやつしか受け付けなくなりました。

おやつを食べるんだからフードも食べれるはずなのに

特別食もフードから作るのに

何故かそのご飯しか食べなくなった君。


特別食をペットボトルに入れ

君と色んな所に行きました。

すっかり年を取って、昔のように走る回ることのなくなった君。

そんな君は

相変わらずきらきらとした目でパパとママを見つめてくれました。


2014.10.14

最後の夜、苦しみもだえる君を抱いて夜を過ごしたあの夜。

最後を共に過ごさせてくれてありがとう。

苦しむ君の姿に、心がかきむしられ、何度「安楽死」という選択肢を口にしようとしたかわかりません。

でも、頑張っている君を見ていると

最後を見届けるのがママの役目なのだと思いました。


「最期」ではなく「最後」なのは

苦しいことの「最後」だから。

虹の橋を渡った君には楽しいことが「始まる」から。



姉ちゃんたちや豆乃助を送った時に残っていた後悔。

「ああしとけばよかった」「こうしとけばよかった」

不思議と君にはありません。

パパもママも、そして君も

やるだけの事、できるだけの事をし尽くした気がします。

シナ・ウニ・パン・豆乃助・シー

彼らから学んだ沢山のフェレットの事を君に出し尽くしました。



君がいなくて寂しい。

とても寂しいけど、そっちには先に行った皆がいるから

安心して君を預けられます。

君はそこでもきらきらとした目で遊んでいることでしょう。






陸丸、

大好き。



陸丸、

大好き。



愛してるよ、陸丸。